東証がPBR1.0倍未満の企業に対して改善策要請したってニュースを受けて

投資チャレンジ

最近、東証が企業価値向上の観点から低PBR企業に対し、改善策要請を出したというニュースがありましたね。

そこでPBRについて解説していきます。

PBRとは

株式の価格と会社の純資産価値(希薄化調整後の株主資本)との比率を表す指標です。PBRが高いということは、株式の市場価値が純資産価値に比べて高くなっていることを示します。

PBRが高くなる理由

主に以下のようなものが考えられます。

1.市場の期待によるもの

 投資家は、将来的な企業の成長や収益性の向上を期待して、株価を上昇させることがあります。

 このような期待が高まると、PBRが高くなることがあります。

2.市場における株式需要と供給のバランスによるもの

 株式市場では、株式の需要と供給によって価格が決まります。

 株式の需要が供給を上回ると、株価は上昇します。この場合、PBRが高くなることがあります。

3.資産価値の評価によるもの

 企業が保有する資産の評価方法によって、純資産価値が異なることがあります。

 たとえば、不動産や投資有価証券などの資産を保有している企業は、それらの資産価値が高い場合、PBRが高くなることがあります。

意図的にPBRを上げるためには

1.収益性の向上

 企業の収益性が向上すると、投資家からの期待が高まり、株価が上昇することがあります。

 そのため、収益性を向上させることがPBRを上げるために必要です。

2.将来的な成長性のアピール

 企業が将来的に成長する可能性があると投資家にアピールすることが、PBRを上げるために有効です。

 たとえば、新しい事業展開や技術開発、グローバル展開などが将来の成長性をアピールする材料になります。

3.資産価値の向上

  企業が保有する資産の価値が高い場合、純資産価値が高くなり、PBRが上昇することがあります。

  そのため、資産価値を向上させることがPBRを上げるために必要です。

PBRと自社株買いの関係性

PBRと自社株買いには、以下のような関係性があります。

自社株買いは、企業が自社の株式を市場から買い戻すことを指します。

これにより、発行済み株式数が減少するため、株価が上昇することがあります。その結果、PBRが高くなることがあります。

例えば、ある企業の純資産価値が100億円、発行済み株式数が1億株の場合、PBRは1倍となります。

このとき、企業が10億円分の自社株を買い戻し、発行済み株式数が9000万株になった場合、純資産価値は変わらず100億円ですが、PBRは1.11倍となります。

一方で、PBRが高い企業は、自社株買いを行いやすい状況にあると言えます。

なぜなら、PBRが高いということは、株価が純資産価値に比べて高く評価されていることを示しているため、株式買い戻しによる株価上昇による影響が大きくなるからです。

そのため、PBRが高い企業は、自社株買いを行うことで、株価を上昇させ、PBRを更に高めることができます。

しかし、自社株買いは企業の利益を株主に還元する手段の一つであるため、その財務状態や成長性を慎重に考慮して行う必要があります。

以上のように、PBRと自社株買いには、相互に影響を及ぼす関係性があると言えます。

企業が自社株買いを行う場合は、PBRが高いことによる影響を考慮しながら、財務状態や成長性を慎重に判断して行う必要があります。

マイナス要因によりPBRが高くなることはある?

PBRは、株価と純資産価値の比率であるため、株価が純資産価値に比べて高い状態が続くとPBRが高くなります。

このような状況は、企業の業績悪化や業界全体の不況など、マイナス要因が原因となって発生することがあります。

例えば、ある企業の純資産価値が100億円、発行済み株式数が1億株の場合、PBRは1倍となります。

しかし、ある理由で株価が下落して純資産価値と比べて低く評価されてしまった場合、PBRが高くなってしまいます。

また、企業の債務超過などの財務的な問題がある場合にも、純資産価値が低下することがあります。この場合も、株価が下落して純資産価値と比べて低く評価されるため、PBRが高くなることがあります。

したがって、PBRが高くなっている場合には、単に高いということだけでなく、マイナス要因が原因である可能性があるため、慎重に分析する必要があります。

企業の財務状態や業績動向などを確認し、PBRが高くなっている理由を明確に把握することが重要です。

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